国産ピアノと海外ピアノの違い~アジア製ピアノ編~
国産ピアノと海外ピアノの違い~アジア製ピアノ編~
ご覧いただき有難う御座います。古川ピアノ 調律師の古川です。
国内で販売されているピアノの中で、外国製ピアノというのは案外少なくありません。
ピアノと言えば最大手のヤマハ あるいは カワイ の国産2社がまっさきに浮かびますが、
その他、海外製のピアノはいったいどういうものなのでしょうか?
今回はアジア製ピアノ編 として、かんたんにご紹介します。
・アジア製にも良いもの悪いもの、いろいろあります
それは何事においてもそうでしょ、といわれそうですが、ことピアノに関しては、その出来不出来にとても大きな隔たりがあります。
ただし国だけで割り切れるわけではなく、例えばアジアの超大国にはいくつもピアノメーカーがありますが、近年は全体の品質が高くなっている傾向です。
しかし、10年前 20年前 30年前、遡れば遡るほど びっくりするような粗悪なピアノが作られていました。
パッと見た目はちゃんとピアノですが(当然ですが)、一音鳴らしてみると 音 指の感触 何もかもに違和感… いやな音… いやなタッチ…
これはピアノじゃない! と叫びたくなるほど劣悪で、一所懸命調律調整してもその限度を超えているものがあります。
そして、最近は良くなってきたと言いつつも、それでも国産大手と比べると、あぁヤマハ カワイがいかによく作られたピアノかと改めて感心するほどの違いがあります。
一方で、ここ10年ほどはヤマハ カワイともにインドネシアに持つ工場で生産したピアノを日本で販売している機種があります。
これらは往々にしてエントリーグレードと呼ばれる低価格帯のピアノで、各社40万円台から手に入ります。新品でこの価格は魅力的です。
日本のメーカーが現地工場をしっかりと管理しているおかげで、いずれもそこそこの品質を維持しているようで、某大国製とは一線を画しています。
・結局、アジア製ピアノって良いの?買いなの?
これはなかなか難しい問題ですが、私の個人的な考えはアジア製ピアノは可能な限り選択肢から外すべき という事です。
新品 中古ともに安くていかにもオシャレでちゃんとしたピアノだよ、という風に販売されてはいますが、製造品質 設計品質 部品品質
どれをとっても国内設計 国内製造のピアノとは大きな壁を感じます。 具体的には、音に厚みがなく タッチに軽快さがなく、音楽を奏でるには力不足なのです。
もちろん、一部のハイグレードモデルなどは力を入れて生産しますので、それなりにサウンドクオリティが高いものもあるのですが、
長い目で見た耐久性や個体差の問題など、国産ピアノではある程度信用 保証されている長年の実績がアジアピアノには無いということも弱点かと思います。
・アジア製ピアノを買うか迷っている方には、再考されることをオススメします
いかに金額が予算に収まって魅力的でも、いかに見た目が可愛くてオシャレでも、本当にその音が良いと感じていますか?
ピアノという楽器は、もちろん見た目もお買い得感も大事なのですが、やはり良い音を奏でてこそピアノなのです。
黒くて少し無骨な感じだけど、少し予算はオーバーするけど、中古でも激安ではないけど、国産ピアノは良いピアノです。
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古川ピアノ 古川航
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