ピアノ調律師に絶対音感は必要なのか
ピアノ調律師に絶対音感は必要なのか
福岡を拠点に活動しております、古川ピアノ 調律師の古川です。
調律にお伺いした際などによく聞かれる事に、「調律師になるには絶対音感が必要なんですよね?」
といったご質問があります。
結論としては絶対音感はあると便利だけと必要ではないという事になります。以下にかんたんにご説明いたします。
・絶対音感とは?
絶対音感という言葉は、昔その名の書籍が流行して以降、ある程度世の中に定着したように思います。
音楽に触れたことのある人なら、絶対音感という言葉をかなりの割合でご存知かと思います。簡単に言うと、その音(楽器に限らず世の中の様々な物音)を聴いた時に
音階名(ドレミファソラシド)で認識できる能力のことです。個人差もあるのですが、鋭い人は雨音も音階に聞こえるというので、時にはストレスに感じるのかもしれません。
しかし、絶対音感は主に幼少の頃(10歳前後)までに一定の音楽教育を受けることで身につくとの説があり、その年齢以降に習得しようとしてもかなり困難なようです。
また、言葉では絶対と書きますが、楽器の調律 チューニングはかなり繊細な基準に基づいて行われるので、絶対音感を持つ人の聴力だけでは精確に実行するのは不可能と思われます。
ちなみに私も絶対音感を持っていますが、絶対音感だけで調律を実施するのは到底無理だと感じます。つまり絶対音感とはそこまで絶対ではないということです。
・調律に必要なのは道具と相対音感
以上のことから、ピアノを調律する際には基準の一音(日本の場合は低い方から数えて49番目の鍵盤 ラ の音)を作るためにまず道具(音叉やチューナー)を使い、
その後は主に聴覚で調律を進めていきます。 この時に使う音感は相対音感と呼ばれるもので、様々な2つの音の組み合わせを同時に鳴らし、各音の周波数差から生じる音の波を聞き取り、
平均律に定められた規定の音階を作っていきます。 この音の波にはかなり細かなルールが決められており、調律学校ではまず音の波を聞き取る訓練から始まり、
次に決められた音の波のルールを覚えながら自分で調律をしてコントロールする方法を学んでいきます。
・気持ち良い音でピアノを楽しむには調律が必須です
上述のとおり、絶対音感では到底できないほどピアノの調律はイメージよりも複雑で難しいものです。
そして、苦労して仕上げた調律は場合によって1年経つ前に崩れていってしまいます。(だから調律が必要なのですが)
そうすると、弾いていても音が暗く曇って感じたり、和音のハーモニーが歪んで聞こえたりしてあまり楽しく弾けなくなってしまいます。
約1年毎の調律というものは、そのようなピアノを元のキレイな音階とハーモニーを取り戻すために、相対音感という聴覚で音階を整え直す作業です。
今回はマニアックで小難しい内容になってしまいスミマセン!
音階がきちんと整っているうえでさらに調律で美しい音色に変化させるとう考え方もあるのですが、それはまたの機会に書かせていただこうと思います。
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