アップライトピアノとグランドピアノの違い その3
アップライトピアノとグランドピアノの違い その3
ご覧いただき有難う御座います。古川ピアノ 調律師の古川です。
前回の記事ではアップライトピアノとグランドピアノの違いについて、
主に 表現力や性能の違いについて解説いたしました
今回は最後に、調律やメンテナンスの違い について書いてみます。
・調律の違い アップライトとグランドの調律はやり方が違う?
結論から申し上げると、アップライトピアノとグランドピアノの調律方法は同じやり方ですが、
色々と楽器の違いを気にして進めないといけない場面があります。
例えば調律の姿勢は直立したアップライトと平面上に置かれたグランドでは、姿勢や体勢が異なります。
また、UPとGPでは形状や性能の違いから音の響き方 音量 音の広がり方などがちがうため、
おなじ ド の音でも、違う種類の ド の音に聞こえます。 多くの場合、GPの ド のほうが、
よく伸び広がり豊かな音色に聞こえます。
そのため、UPではこもりがちな音をより響くようにする場合もあれば、GPでは大きな響きを抑えるような場合もあります。(当然その逆もあります)
・内部機械のメンテナンスの違い GPのほうが複雑
GPが大きいのはただ音を大きくするために設計されているだけではなく、
ピアノの内部に アクション と呼ばれる複雑なを搭載し、より高度な動きができるようにUPよりもグレードアップされた
機械を入れるためでもあります。
※UPはGPをただ縦にしただけではなく、このアクション部を一部簡略化した設計にもなっているため、機械的な性能に差があるわけです
もちろん、UPのアクションも十分に複雑なので、それらを均一で万全な状態に調整するには一定の手間暇をかける必要があります。
しかし、GPの場合はさらに高度で複雑なしくみが加わっているため、より長い時間と精密に揃った調整精度が求められることになります。
この調整の部分をないがしろにすると、UP GP 問わずピアノの持っている力を全て発揮することができなくなります。
そうすると、せっかく良いピアノを買ったのに、なんだかしっくりこない タッチがもたつく 音がイメージ通りに響かない などの不満が発生してしまいます。
・料金の違い
当店の調律料金は、UPにくらべGPの方が3,300円高くなっております(2020年8月現在 税込みで16,500円です)
これは単純にGPの方が大きいサイズだからと良いことではなく、上記の通り 主に調律や機械調整について長い時間を掛ける必要があるため、
UP1.5~2時間程度 に対して GP 2.5~3時間 の時間の差が料金に反映されている という事です。
UPもGPも、それぞれに持たされている性能をギリギリまで気持ちよく発揮できるように、時間の許す限り 調律以外の調整も積極的に実施しております。
そうすると、最初はモゴモゴ言っていたおとなしすぎるピアノは美しい音色を伸びやかに奏でるようになり、
あるいは、本来よりも重ったるくレスポンスの悪い弾くにくいピアノが、重荷が取れて羽が生えたように滑らかに動くようにもなります。
ピアノの調律というのはm日用品などと比べると決して安い料金では有りませんが、楽器を弾く喜びを増進させるとともに、
大切なピアノの健康状態を把握し、より良い状態で永く維持していくための健診的な意味合いもあります。
しばらく調律をしていないという方がおられましたら、ぜひご検討ください♪
古川ピアノでは、グランドピアノやアップライトピアノの調律やメンテナンス
消音取付や中古ピアノ販売などを総合的に承っております。
ご質問等、まずはお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはコチラのページへ♪ または、代表古川 090-7533-2462 へ
最後までお読みいただきありがとうございました!
古川ピアノ 古川航
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