ピアノの不具合 コレが弾きにくいピアノの原因…?
鍵盤が重い、弾きにくい、表現しにくい、その原因はコレかも?
ご覧いただき有難う御座います。古川ピアノです。
調律をご依頼いただいたお客様から時々、「ピアノが弾きにくいのを直してほしい」とリクエストを受けることがあります。
ピアノのタッチ(弾いた感触のことの通称)が重くなる、弾きにくくなる原因は一つだけではなく複数の要因が重なることも少なくありませんが、
湿気によるダメージの蓄積 が原因のケースが比較的多いです。
湿気によるダメージ症状が出る部位にもいくつかの種類があるのですが、最も多いのは関節部分の膨張による動作不良です。
写真はグランドピアノの内部を一部分分解している様子ですが(右側半分の部品が一個飛びに外れているのが写っています)、この部品に含まれる小さな関節は木/金属/フェルトの複合部品で、(小指の爪よりももっと小さいサイズです)ここが長年に渡って高湿の影響を受けると、木やフェルトは膨張し、金属は腐食するなどして、徐々に動きが固く鈍くなっていきます。
軽度~中度の場合はタッチは重いけどなんとか我慢して弾けるという状況ですが、症状が重度になると部品が全く動かなくなり、鍵盤が動かない 音が鳴らない といった演奏不能の状態に進行してしまいます。湿気が原因の鍵盤が重い 弾きにくい というのは、まだ最悪の状態の一歩手前ということです。
この関節部品は、金属のピンを交換する等して修理することが可能ですが、部品の数が多い(音の数=88)ので修理料金と時間が多くかかることがありますし、何よりもその症状に至るまで、ピアノのタッチが必要以上に重くなって、弾きづらく表現しづらい状態で日々の練習や演奏を強いられてしまう というのが、演奏者にとってより悪影響が大きいかもしれません。
ですので、修理をして症状を治していくのはもちろんですが、長い年数を経て再発しないように、お部屋の湿度管理などの根本的な原因を取り除く対処も必要になります。
湿気ダメージ以外の原因は、音の響きバランス(主に響きが少なすぎる)、 鍵盤などの機械部分の調整がズレている なども挙げられます。これらについては別の機会にご紹介致します。
実際にピアノを拝見すれば何が原因なのかを診断することができます。重くて弾きにくいタッチでお悩みの方、逆に軽すぎて弾きにくいと感じられる方は、まずは気軽にご相談下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました!
古川ピアノ 古川航
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